海洋プラスチックごみ問題


 
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1970年代初頭に、陸から海に流れ出て漂うプラスチックごみの破片が海鳥の胃の中から出てきたと、海鳥の研究者たちが報告しています。
赤道を越えて地球上を南北に移動するハシボソミズナギドリの消化管の中から、餌のオキアミ類やプランクトンと区別がつかず誤飲・誤食したプラスチック片が見つかったのです。海鳥の研究者たちの調査によると、プラスチックを摂食しているハシボソミズナギドリは、70年代には調べた個体の半数でしたが、年々増え続け、80年代には10羽調べると10羽全てからプラスチックが検出される「飽和状態」となり、今もこの状態が続いています。ハシボソミズナギドリの消化管に溜まっているプラスチックの量は、1羽当たり約0.6g。鳥の体重は約500gですから、体重50kgの人間に置き換えると60gのプラスチック片が胃の中に溜まっている計算になります。
海洋プラスチックごみを摂食しているのはハシボソミズナギドリだけではありません。ある研究者は海鳥の9割が摂食していると推定しており、海鳥以外でも、ウミガメ、クジラ、魚、二枚貝など200種以上の海洋生物が摂食していると見なされています。
プラスチックは全世界で年間約4億t生産され、その半分は容器(レジ袋・ペットボトル・食品トレイ・コンビニの弁当箱等)や包装などの使い捨て(ワンウェイユース)プラスチックとして使われています。使用済のプラスチックはごみとなり、分別・収集・リサイクル・焼却・埋め立てなどの処理が施されますが、問題はこうした処理が行われなかったプラスチックごみです。プラスチックの多くは水より軽く、雨が降ると流されて河川に流れ込み、やがて海にたどり着きます。毎年、海に流入しているプラスチックごみは全世界で毎年800万tと推定されていて、その一部は風で海岸に打ち上げられ漂着ごみとなりますが、一部は紫外線に当たって劣化したり、波に砕かれたりしてだんだん小片化・微細化していきます。直径5mm以下のサイズになったものはマイクロプラスチックと呼ばれています。このマイクロプラスチックが沖合に運ばれ海洋を漂ったり、特定の海域に溜まったり、海底に沈殿したりしているのです。
大量のプラスチックごみが漂っているのは、インドから日本列島にかけてのユーラシア大陸南岸や地中海、黒海など人口密集地帯の沿岸です。
外洋の中央部の渦流の中には、海流と風の影響で、漂流物が滞留する場所があり、そこにもプラスチックが漂っています。さらには本来の海の主人公・プランクトンの量よりも漂流プラスチックの方が多いと言われる海域すらあります。世界中の海漂流しているプラスチックごみは、少なく見積もっても27万t、マイクロプラスチックの数にして50兆個と、もはや見て見ぬふりを決め込むことはできない量です。
  
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ペットボトルのイメージの様にそのままの形にて海洋を漂流する物もあれば、海洋を漂い5mm以下の微細なプラスチックごみとなる物もあり、それらはマイクロプラスチックと呼ばれています。
主に以下がマイクロプラスチックになると言われております。
ポリスチレン(PS)類・・・・・・ハンガー、食品トレー
ポリエチレン(PE)類・・・・・・レジ袋、ラップ、バケツ、洗剤ボトル、灯油タンク
ポリプロピレン(PP)類・・・・・・ストロー・ペットボトルキャップ・文具・医療器具
ポリエチレンテレフレタート(PET)類・・・ペットボトル・卵パックなどの透明な容器・包装フィルム
 
(出典:環境省サイト)
 
 
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海洋プラスチック問題は海洋汚染が問題だけではなく海に生きる生物や、漁業等の産業、私たちの体まで影響を与えていると言われております。
 
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海洋プラスチックごみの中のでも、マイクロプラスチックのような微量な粒子は、海に生きる生物が体内に取り込むことで、体内に蓄積される可能性があると言われています。
ウミカメが何らかの原因でストローを飲み込んでしまい鼻につまってしまい、たまたま発見した人間が何とか引き抜くことでウミガメを助けたという話題を見た方も多くいらっしゃると思います。
その他にも、海に生きる生物が、プラスチックごみを餌と間違えて取り込んでしまい、それが体内で消化されないため死につながる事例もあるとのことです。
 
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海に生きる生物が海洋プラスチックごみにより死ぬここが多くなると、漁業による漁獲量が減るといった問題やプラスチックごみが漁獲用の網に絡まり網が使えなくなるといった損失もあります。
 
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海の生物が体内に取り込んだマイクロプラスチックは細かな粒子であり、分解されないため体内に蓄積されている可能性があります。マイクロプラスチックを飲み込んだ魚を食べることにより、私たちの体内にもマイクロプラスチックが入り込む可能性があるのです。プラスチックは様々な化学汚染物質を付着する性質もあるため、魚の体内に残ったマイクロプラスチックを人が口にした場合、人体にも影響を及ぼす可能性があると言われております。
 
地球上のすべての生命物の為にもプラスチックごみの処理、リサイクルが重要となります。